
採用LP(ランディングページ)は、求人情報に特化した縦長構成のWEBページのことです。
訪問から応募までの明確な流れに沿ってコンテンツを配置することで質の高い応募者の獲得につながります。低コストで制作可能で、リスティング広告やSNS広告との相性も良いため、採用課題の解決のために導入を検討している企業も少なくありません。
しかし採用LPの制作にあたっては、確実に成果を出すための設計・デザインが求められるほか、LP単独では成果に直結しづらいなどのデメリットも存在します。
そこで本記事では、採用LPのメリット・デメリットや採用サイトとの違い、応募につながる採用LPの作り方についてご紹介します。
採用LPの制作や外注に興味がある人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
採用LPとは?
採用LP(ランディングページ)とは、広告業界で活用されることが多いLP(ランディングページ)を人材採用に特化させて使用するものを指します。
1ページの縦長のWEBサイトに求人情報やエントリーボタン、企業理念などがまとまっていることが特徴です。
上から順にスクロールすることで、自社にマッチした応募者をフィルタリングしながら自社への理解を深めてもらい、質の高い人材獲得を図る採用手法です。
採用サイトを構築する場合と比較して、採用LPであれば1枚のWEBページ制作で完了するため、低コストで自社専用の採用ページを作成できることが大きなメリットとなっています。
採用LPと採用サイトとの違い
採用サイトは複数のページにわたって、採用情報・貴社の魅力を掲載します。それに対して採用LPは、一枚のページの中に情報を詰め込み、そのページだけで応募までを完結させることを目的としています。
関連して、使用する目的にも違いがあります。
採用LPは、1枚のページに情報を詰め込むことから、訪問から応募までの導線をシンプルに設計し、LPを訪れた応募者にすぐさま行動(応募・エントリー)を起こしてもらうことが目的です。
一方の採用サイトは、社員インタビューや福利厚生などを詳細に伝えるコンテンツを用意し、複数のページを閲覧してもらいながら自社についての理解を深めてもらうことを目的とします。
つまり、採用LPは応募者を増やす目的、採用サイトは情報発信をメインの目的として設計・デザインされるということです。
これらを混同してしまうと、採用LPを制作していたつもりがコンテンツ量が増えすぎて採用サイトに寄ってしまい、エントリーボタンを押す前に応募者が離脱してしまうなどのリスクが高まってしまいます。
採用LPを使うメリット
次に自社の採用活動で採用LPを使うべき理由についてご紹介します。採用LPの主なメリットに挙げられるのは、以下の5つです。
- 制作コストを抑えられる
- 離脱率が低く応募が集まりやすい
- 自社の資産として自由にデザインできる
- 効果測定が容易で改善しやすい
- 広告との相性が良い
順番に説明します。
採用LPのメリット1. 制作コストを抑えられる
採用サイトの制作費は100万円程度が相場となっています。
一方で、採用LPの場合は作成するページが1枚のみになり、工数が大幅に減るため、50万円程度で制作が可能になります。
制作完了までの納期も短く、情報量の多い採用ページを低予算かつスピーディに用意できます。
こうした特徴から、
- 取り急ぎで採用サイトが必要
- 急な人材確保が必要(広告をかける想定)
- 予算がそこまで割けられない
といった企業におすすめです。
採用LPのメリット2. 離脱率が低く応募が集まりやすい
採用LPは縦長のページをスクロールしながら閲覧してもらう設計であり、異なるページを移動することがないため、LPを訪れた応募者が離脱しづらいというメリットがあります。
結果として応募・エントリーに進む母集団を増やすことができるので、求人媒体を使っていても応募がなかなか集まらず困っている企業におすすめです。
採用LPのメリット3. 自社の資産として自由にデザインできる
掲載期間が終了すると削除されてしまう求人広告とは異なり、採用LPは自社の資産として半永久的にWEB上で公開することが可能です。
自社PRできるスペースの制限がなく、自由なデザインで制作できることから、自社の色や強みを打ち出しやすいこともメリットに挙げられます。
採用ブランディングにも役立つのでマッチ度の高い人材を確保しやすくなり、採用課題の解決につながるケースも多いです。
採用LPのメリット4. 効果測定が容易で改善しやすい
採用サイトの場合は、どのページから来て、どこのページで離脱しているのかなど、分析の場合には複数ページの複雑な分析が必要になってきます。
しかし、採用LPは単一ページのみとなるため、効果測定がしやすく、改善しやすいのも特徴です。
基本的にはヒートマップツールを利用して訪問者の視点の動きを調査し、Googleアナリティクスを利用してCVR(応募率)を調べるといった項目なので、非常にシンプル。
上記のツールを使用することで、初めての方でも比較的容易に分析が可能になります。
採用LPのメリット5. 広告との相性が良い
上記でもお伝えした通り、採用LPとは、一枚のページの中に情報を詰め込み、そのページだけで応募までを完結させることを目的としています。
そのため、検索結果やSNSの画面に表示する広告との相性が非常に良いです。Google検索結果の上部にある広告欄に表示されるリスティング広告や、デザイン性に優れたバナーを使ったディスプレイ広告、TwitterやInstagramのアプリ内に表示するSNS広告など、細かくターゲットを定めながら広告のリンク先に設定することで、採用LPの効果を最大限引き出すことができます。
広告をクリックするユーザーは、転職意欲の高い応募者であることが多いため、離脱率が低い採用LPと組み合わせることで即効性の高い採用活動が実現可能になります。
採用LPのデメリット
続いて、採用活動で採用LPを利用するにあたって注意したいデメリットについて、以下の3つをご紹介します。
- LPを訪問してもらう導線が必要
- 伝えられる情報量に上限がある
- 設計・デザインが成果に直結する
優秀な人材獲得につながる採用LPを実現するためにも、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
採用LPのデメリット1. LPを訪問してもらう導線が必要
採用LPは、ページ単体では採用効果を発揮することはなく、外部から採用LPを訪問するまでの導線を用意しておかなければなりません。
求人広告に採用LPを貼り付けることはもちろん、前述した広告を利用して採用LPに誘導することも可能ですし、採用SNSの投稿の中でLPを紹介したり、採用サイトの一部として採用LPを活用したりする方法も考えられます。
こうした導線が欠けていれば、そもそも採用LPを訪問してくれる応募者がおらず、制作コストを浪費するだけに終わってしまうため注意が必要です。
採用LPのデメリット2. 伝えられる情報量に上限がある
採用LPは1枚のページに求人情報やエントリーボタンを集約することから、LPだけで伝えられる情報には上限があります。
情報量を詰め込みすぎると訪問者にとっての負担になり、エントリーに進む前に離脱される可能性も高まってしまいます。
一方で伝える情報量が少なすぎると、自社とのマッチ度の低い人材が集まる危険性もあります。
このように、応募へ進ませるためにはマーケティング的な視点も非常に重要になるため、マーケティング・デザインのプロの視点を取り入れながら制作しなければなりません。
採用LPのデメリット3. 設計・デザインが成果に直結する
採用LPを導入する場合、LP制作に実績を持つ制作会社に依頼するケースが多いですが、その制作会社のスキルや技量によって採用成果が大きく左右されます。良い制作会社を見つけてクオリティの高い採用LPを用意することができれば、CVRが高まり大きな成果にもつながるでしょう。
一方でLPの制作実績は豊富だが、人材採用に特化したLPの制作実績に乏しい制作会社などを選んでしまうと、見栄えは良いがエントリーにはつながらないLPが完成してしまうことがあるので注意が必要です。
応募につながる採用LPを作るコツ
最後に、見栄えが良いだけのページで終わることなく、確実に応募やエントリーにつながる採用LPを作るためのコツについても見ておきましょう。
- 理想の人物像を定めておく
- 効果測定と改善を繰り返す
- 「採用LP」の制作実績が豊富な会社を選ぶ
上記の3つのポイントをそれぞれ解説するので、採用LPを導入する際に参考にしてみてください。
応募につながる採用LPを作るコツ1. 理想の人物像を定めておく
採用LPに限らず言えることですが、求める人物像の応募者に刺さるデザインを実現するためにも、制作の前に自社にとっての理想の人物像を定めておきましょう。
現場の最先端で活躍している社員を参考に、年齢・性別・住所・家族構成などを設定した「ペルソナ」を用意して、ペルソナに対して訴求する採用LPを設計するのが効果的です。
たとえば、生まれたばかりの小さな子どもがいるエンジニアをペルソナとするのであれば、在宅勤務やリモートワークを支援する制度をLPの目立つ位置に表示するなどの工夫も考えられます。
応募につながる採用LPを作るコツ2. 効果測定と改善を繰り返す
採用LPの公開後は、ヒートマップツールやGoogleアナリティクスを活用しながら、効果測定と改善を繰り返すことが大切です。
たとえば、LPのよく読まれている部分は、より上部に移動して目立つデザインに改善することで離脱を防ぐ効果が期待できます。
クリック・タップの回数が多い位置では、より豊富な情報が求められていると判断できるため、求人情報のボリュームを増やすことも効果的です。具体的な効果測定や改善方法についてよくわからない場合には、LPの制作会社とも相談しながらPDCAを回していくのがベストです。
応募につながる採用LPを作るコツ3. 「採用LP」の制作実績が豊富な会社を選ぶ
採用LPの制作を依頼する際には、単にLPの制作実績が多い会社ではなく、「採用LP」の実績が豊富な会社を選ぶことも大切です。
商品やサービスを販売するためのLPは採用LPとも共通する部分も多いですが、求職者が求める情報や業界の中での自社の強みをアピールするためには、人材業界の知見が必要となります。
そのため採用LPを依頼する制作会社を選ぶ際には、LP制作を専門とする会社よりも、採用サイトやリクルートサイトの制作実績が豊富な会社を選ぶこともおすすめです。
低コストで始められる採用LPで質の高い採用活動を
採用LP(ランディングページ)は、求人情報に特化させた縦長のWEBページで、順番にスクロールすることで自社の理解を深め、マッチ度の高い人材からの応募を集めることが可能です。求人情報を掲載したWEBページを用意する点では採用サイトと共通していますが、採用LPは応募者を集める目的で制作し、採用サイトは求人情報を発信する目的で制作するという違いがあります。
採用LPは、求人媒体を利用したり採用サイトを構築したりする場合と比べて低コストで始められるメリットがあり、WEB広告やSNS広告との相性が良いという性質を持っています。一方でLPを訪問してもらうまでの導線が必要なほか、設計・デザインがそのまま成果に直結するデメリットがあるため注意が必要です。
なお、採用LPや採用サイトの制作を依頼したい人事担当者の方は、私たちアドリスにご相談ください。
人材業界に精通し、豊富なWEB制作実績を持つチームが、採用課題の解決をサポートさせていただきます。
相談・お見積もりは無料でお受けしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。