Googleディスプレイ広告は、画像やテキストの入稿規定を一度つかむと制作が速くなる。
一方で、比率や容量のわずかなズレが原因で、想定外に差し戻しになることもある。
本記事では、レスポンシブとアップロード型を混同せず、必要な要件を実務目線で整理する。
制作担当と運用担当の認識を揃え、審査から配信までの手戻りを減らしたい人に向けてまとめる。
Googleディスプレイ広告の入稿規定は8つの観点で押さえる?
入稿規定は「広告タイプ」「画像」「ロゴ」「テキスト」「リンク」「ファイル」「技術要件」「ポリシー」に分けると迷いにくい。
最初に枠組みを作っておけば、案件ごとに数字だけ差し替えて再利用できる。
ここでは、現場で詰まりやすい順に8つの観点を並べ、後半で具体的な数値と段取りに落とし込む。
広告タイプの整理
ディスプレイは、レスポンシブディスプレイ広告とアップロード型のバナー広告で要件が変わる。
同じ「画像広告」でも、アセットとして登録するのか、サイズ固定のバナーとして登録するのかで準備物が違う。
入稿前に、どのキャンペーン種別で配信するのかを確定させると、制作の無駄が減る。
画像比率の要点
レスポンシブでは、横長と正方形を軸に、必要に応じて縦長も用意する。
比率が合わない画像は自動トリミングされ、意図しない位置で切れることがある。
最初に比率を決めてから撮影やデザインを行うと、作り直しを防げる。
ピクセル下限の要点
最小ピクセルを下回ると、アップロード自体が通らないか、配信面が狭くなる原因になる。
横長は最小サイズ、正方形も最小サイズが設定されているため、素材の解像度を先に確認する。
高解像度を用意しておくと、各面への拡大表示でも粗さが出にくい。
ファイル形式の要点
画像は一般的にJPGやPNGが中心になり、要件を満たす範囲で静止GIFも使える。
透過が必要ならPNG、写真中心ならJPGという切り分けが実務では扱いやすい。
形式が合っていても、破損ファイルやメタデータの問題で読み込みに失敗することがある。
容量上限の要点
ファイル容量には上限があり、超えると入稿できない。
容量を抑えようとして圧縮しすぎると、ノイズや文字の滲みが起きて品質面で不利になる。
まずは推奨サイズで書き出し、必要に応じて劣化が目立たない範囲で軽量化する。
ロゴ要件の要点
レスポンシブではロゴもアセットとして求められることが多い。
正方形ロゴは小さく表示されても判別できるよう、線の細い装飾や小文字の詰め込みを避ける。
背景色が変わる面でも見えるように、白抜き版と濃色版を用意しておくと安全だ。
テキスト要件の要点
見出しや説明文には文字数上限があり、長いと途中で省略される。
省略されても意味が崩れないように、主語と結論を前半に寄せる。
記号や大文字の連続は編集基準で不利になりやすいので、強調は最小限にする。
リンク要件の要点
最終ページURLは、広告文と整合する内容のページを指定する。
計測用パラメータを付ける場合でも、遷移先がリダイレクトループにならないように確認する。
スマホ向けページを持つ場合は、モバイルでも読み込みと表示が崩れないかを先に見る。
審査要件の要点
入稿規定を満たしていても、ポリシーや編集基準で不承認になることがある。
誇張表現や根拠の弱い最上級表現は、広告文だけでなく遷移先の記載も含めて見られる。
不承認の原因を切り分けられるように、素材と文言の変更履歴を残しておくと復旧が速い。
レスポンシブディスプレイ広告の画像規定を迷わず整える
レスポンシブは、複数の枠に自動で当てはめて配信できる反面、素材の前提が崩れると見栄えが不安定になる。
比率と安全領域を先に固め、必要な枚数を揃えるだけで成果の土台が整う。
ここでは画像アセットを中心に、作りやすい基準の作り方をまとめる。
比率の決め方
横長と正方形を必須セットとして考えると迷いにくい。
縦長は配信面の幅を広げたいときに追加する発想が実務的だ。
比率を先に決めたら、各比率で中心に置く要素を揃える。
- 横長は主役を中央寄せ
- 正方形は情報量を絞る
- 縦長は余白を厚めに取る
- 被写体の端寄せを避ける
推奨ピクセルの早見表
推奨サイズで作ると、トリミングや拡大で崩れにくい。
最小サイズを下回ると素材不足になりやすいので、撮影段階から満たしておく。
| 種類 | 比率 | 推奨 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 横長画像 | 1.91:1 | 1200×628 | 600×314 |
| 正方形画像 | 1:1 | 1200×1200 | 300×300 |
| 縦長画像 | 9:16 | 900×1600 | 600×1067 |
安全領域の考え方
枠によっては自動で角丸やトリミングが入り、端の情報が欠ける。
重要な文字やロゴは、中央寄りに置き、外周に余白を取ると事故が減る。
背景に情報を詰めず、被写体とブランド要素を分離すると見栄えが安定する。
枚数の揃え方
同じ比率でも、写真素材とイラスト素材を混ぜすぎるとブランド感が揺れる。
まずは主力の数枚を高品質で用意し、次にバリエーションを足すのが効率的だ。
季節要素を入れる場合は、差し替え用に背景だけ変えた版を作っておくと運用が楽になる。
バナー広告のサイズと容量を押さえる
アップロード型のバナー広告は、枠サイズが固定されるため、表示の再現性が高い。
その代わり、サイズごとに素材を用意する必要があり、入稿物が増えやすい。
主要サイズを押さえ、制作の順序を決めて量産すれば負担は抑えられる。
主要バナーサイズの目安表
配信面でよく使われるサイズから揃えると、最小工数で表示機会を確保しやすい。
まずは中長方形やレクタングル系を優先し、次に横長や縦長を追加する。
| 用途 | サイズ | 呼称 |
|---|---|---|
| 汎用 | 300×250 | ミディアムレクタングル |
| 横長 | 728×90 | リーダーボード |
| 縦長 | 160×600 | ワイドスカイスクレイパー |
| 大判 | 300×600 | ハーフページ |
| スマホ | 320×50 | モバイルバナー |
GIFアニメの扱い
アニメーションGIFは視認性を上げられるが、点滅や過度な動きは品質面で不利になりやすい。
動きは最小限にし、静止状態でもメッセージが伝わる構図にしておくと安全だ。
1枚目に結論を置き、2枚目以降は補足に回すと、途中で止まっても意味が残る。
容量と画質の落とし穴
固定サイズバナーは容量上限が厳しめになることがあり、特にGIFは太りやすい。
文字が滲むと信頼感が落ちるため、軽量化は段階的に行うのがよい。
書き出し前に次の点を決めておくと調整が早い。
- 文字は太めのフォント
- 背景の粒状ノイズを避ける
- 写真は彩度を上げすぎない
- GIFは色数を絞る
サイズ違いを量産する段取り
最初にマスターのデザインルールを決め、各サイズへ流し込むと速い。
要素の優先順位を固定し、狭い枠ほど情報を削る設計にする。
サイズごとに別デザインを作るのではなく、配置のテンプレート化で工数を抑える。
テキスト入稿で落ちやすい表記ルールを先回りする
ディスプレイでも、アセットの文字入稿やビジネス名の表記で止まることがある。
文字数上限だけでなく、編集基準の観点で不利な書き方を避けることが重要だ。
制作物が揃っていても、文言で差し戻すと全工程が止まるため、先回りして整える。
文字数の設計表
見出しは短く、説明文は補足に徹する設計が読みやすい。
長文は省略される可能性があるため、前半だけで意味が通るように作る。
| 要素 | 狙い | 書き方 |
|---|---|---|
| 短い見出し | 注意喚起 | 結論を先頭 |
| 長い見出し | 価値訴求 | 対象を明確化 |
| 説明文 | 補足 | 条件を明記 |
| ビジネス名 | 信頼 | 正式名称で統一 |
記号の使い方
記号や大文字の連続は、読みづらさとして扱われやすい。
強調のために記号を多用するより、語順を整えて自然に目を引く文章にする。
迷ったら、次の範囲に収めると安全だ。
- 感嘆符は必要最小限
- 大文字連続を避ける
- 記号の連打をしない
- 文末の装飾を減らす
誇張表現の扱い
最上級や断定は、根拠がないと不利になりやすい。
数字や実績を使う場合は、遷移先で同じ内容を確認できる状態にしておく。
言い切りを避け、条件や対象範囲を明記すると審査の揺れが減る。
ブランド表記の統一
ビジネス名、ロゴ表記、ドメイン表記がバラバラだと、ユーザー体験面で不利になる。
広告文に使う名称は、サイトのヘッダーやフッターの表記と揃える。
略称を使う場合でも、初回は正式名称を入れて誤認を防ぐ。
審査を通すための最終確認フローを作る
入稿規定を満たすだけでなく、審査の流れに合わせた確認フローを持つと、配信開始が読みやすい。
とくに複数素材を扱うディスプレイは、どこで詰まったかの切り分けが重要になる。
ここでは、運用を止めないための実務フローを具体化する。
入稿から配信までの進め方
審査時間を見込んで、素材確定の締切を前倒しにする。
急ぎ案件ほど、入稿後の差し替えが増えやすいので、最初の品質を上げる。
| 工程 | 目的 | 実施内容 |
|---|---|---|
| 素材確定 | 手戻り防止 | 比率と容量を確定 |
| 入稿 | 審査開始 | アセットを登録 |
| 審査待ち | 想定整理 | 不承認時の代替案 |
| 配信開始 | 学習 | 面別の反応を見る |
不承認の切り分け
不承認は、素材の要件不足と、表現や遷移先の問題に大別できる。
原因が混ざると復旧が遅れるため、変更点を一度に増やしすぎない。
まずは次の順で疑うと整理しやすい。
- 画像サイズと比率
- ファイル容量と形式
- 広告文の表記
- 遷移先ページの整合
差し替えのコツ
同じ広告枠で何度も作り直すより、代替素材を同時に用意しておくと復旧が速い。
主張が強い素材ほど審査で揺れやすいので、無難なバックアップを作っておく。
差し替え時は、どの要素を変えたかを記録し、再発防止に繋げる。
共有テンプレの用意
制作と運用が分かれる現場では、入稿規定の認識ズレが最も大きなコストになる。
比率、最小サイズ、容量、必須アセットを1枚のメモにまとめて渡すとスムーズだ。
素材名の命名規則を決め、サイズや比率がファイル名で分かるようにすると迷いが減る。
入稿規定を守って配信までを滑らかに進めるコツ
Googleディスプレイ広告の入稿規定は、数字を覚えるより、観点で整理して再利用できる形にするのが近道だ。
レスポンシブは比率と安全領域、アップロード型は主要サイズと容量が要になる。
テキスト入稿は編集基準の癖が出やすいので、過度な強調や根拠の薄い断定を避ける。
審査で止まったときに備え、代替素材と変更履歴を持っておけば復旧が速い。
制作ルールと運用ルールを同じ表で共有し、案件ごとの例外だけを追記する運用にすると、手戻りの総量が減っていく。

