実店舗の集客では、広告経由の「来店」を数字で把握できるかどうかが改善スピードを左右します。
Google広告の来店計測は、オンラインでの反応だけでは見えない成果を補い、入札や配信設計の判断材料を増やせます。
ただし、設定すれば必ず表示される指標ではなく、要件と準備を外すといつまでも数値が出ません。
Google広告の来店計測はどう設定する
来店計測は「来店コンバージョン(Store visits)」として自動的にレポートされる仕組みです。
最短で計測を動かすには、住所アセットと拠点情報の整備、そして要件を満たすだけのデータ確保が要点になります。
ここでは設定の段取りを、つまずきやすいポイントから逆算して整理します。
来店計測で得られる指標
来店コンバージョンは、広告接触後に実店舗へ訪れた可能性が高い人数を推定して集計する指標です。
オンラインの購入やフォーム送信が少ない業態でも、広告が現地行動に与えた影響を把握できます。
レポート上はコンバージョン列や「すべてのコンバージョン」列などに反映され、最適化に使えるデータになります。
来店計測が動くまでの流れ
来店計測は、計測タグを貼って即日で増えるタイプの指標ではありません。
住所アセットで「どの店舗を対象にするか」をGoogle広告側に伝え、拠点が確認済みである状態を作ります。
そのうえで、十分な広告接触と来店が蓄積され、プライバシーのしきい値を満たすと自動的に表示されます。
対応ネットワークとキャンペーン
来店コンバージョンは、検索広告を中心に、ディスプレイやYouTubeなど複数面での計測対象になります。
ただし、どのネットワークで計測が有効になるかはアカウント状況により差が出るため、同じ設定でも表示可否が分かれます。
まずは主要キャンペーンで住所アセットが正しく配信に乗っている状態を作るのが近道です。
住所アセットの用意
来店計測の前提は、広告に店舗情報を付与する住所アセットです。
住所アセットが無効化されていたり、キャンペーン側で表示対象から外れていると、来店データがレポート対象になりません。
連携前に、店舗情報がGoogleビジネスプロフィールで整っているかを先に点検すると後戻りが減ります。
ビジネスプロフィールの拠点確認
拠点情報は、Googleビジネスプロフィールに登録し、オーナー確認が完了している状態が重要です。
確認が未完了の拠点が多いと、住所アセットを入れても計測要件に届きにくくなります。
店舗名、住所、ピン位置、営業時間などの基本情報が最新かも合わせて整えます。
診断ページで状態を見る
来店計測には、アカウントの状態を俯瞰できる診断の考え方があります。
店舗のリンク状況、拠点の確認率、住所アセットを動かしているキャンペーン数、データのしきい値の状況が鍵になります。
原因が「設定不足」なのか「データ不足」なのかを切り分けることで、次に打つ手が明確になります。
レポート列と目標設定
来店コンバージョンが表示されたら、まずレポートに列として追加し、現状の数値の出方を確認します。
次に、来店を主要目標として扱うのか、補助指標として扱うのかを決め、入札最適化の方針と合わせます。
来店価値を設定する場合は、現場の粗利や平均客単価と整合する値に寄せると判断がぶれません。
来店コンバージョンの仕組みを押さえる
来店計測は、ユーザーの位置情報データと広告接触の情報を直接ひも付けて可視化するものではありません。
プライバシーに配慮し、匿名化された統計処理を前提に推定値としてレポートされます。
その前提を理解すると、数値の読み方と改善の仕方が現実的になります。
推定値として集計される理由
来店コンバージョンは、すべての来店者を個別にカウントする仕組みではありません。
ロケーション履歴を有効にしているユーザーなど、条件を満たすデータから傾向を推定し、母集団へ外挿して算出します。
そのため、実来店数と完全一致させる用途ではなく、施策比較と最適化の材料として扱うのが適しています。
プライバシーを守る集計の考え方
来店計測は、個人が特定されないように集計・匿名化された統計情報として提供されます。
一定量のデータが集まらないと表示されないのは、精度とプライバシー基準の両方を満たす必要があるためです。
仕組みの一次情報は、Google広告ヘルプの説明を参照すると確実です。
計測できない業種や場所
来店計測は、すべての拠点が対象になるわけではありません。
センシティブとみなされる場所は対象外になり得るため、業態によっては最初から計測が難しいケースがあります。
自社の拠点が該当しないかを、事前にルール面から確認しておくと無駄打ちが減ります。
| 対象外になり得る拠点 | 宗教関連、性的関心、子ども関連、特定の健康問題に関わる場所 |
|---|---|
| よくある誤解 | 設定だけで誰でも即表示される |
| 必要な前提 | 住所アセット、拠点の確認、十分なデータ量 |
| 基本スタンス | 個人が特定されない推定値として扱う |
利用要件でつまずかないための準備
来店計測が出ない原因は、設定の不足よりも「要件未達」によるものが目立ちます。
特に拠点の確認率とデータのしきい値は、運用者が見落としやすいポイントです。
ここでは要件を満たすための準備を、コントロールできる要素に分解します。
対象国と店舗数
来店計測は国ごとに提供状況が異なり、対象外の国ではそもそも利用できません。
日本は対象国に含まれるため、国内店舗であれば前提条件は満たしやすい環境です。
拠点数が多いほどデータが集まりやすく、要件を満たす確率が上がる傾向があります。
データのしきい値を超える考え方
来店計測には、広告接触と来店が十分にあることが求められます。
具体的なしきい値は広告主ごとに変動し、公開されていないため、運用側は達成確率を上げる施策を積む必要があります。
まずは「来店に近い意図」を持つユーザーの接触量を増やし、対象拠点を絞り過ぎないことが現実的です。
- 検索語句の意図が強い配信面を優先
- 住所アセットを出せる広告タイプを中心に構成
- 店舗半径のターゲティングを極端に狭めない
- 来店が多い拠点から先に対象化
オーナー確認と拠点品質
拠点が確認済みであることは、来店計測の前提条件として重い要素です。
店舗情報の不整合や重複があると、確認や紐付けで詰まり、結果として来店計測に必要な状態になりません。
運用開始前に、拠点データを整える作業時間を確保するのが近道です。
| 必須に近い整備 | オーナー確認、住所の正確性、ピン位置 |
|---|---|
| 品質を落とす要因 | 重複拠点、旧住所、営業時間の未更新 |
| 連携の土台 | Googleビジネスプロフィールの拠点一覧 |
| 見落としやすい点 | 一部拠点だけ未確認のまま放置 |
チェーン店と代理店運用の注意点
複数店舗や代理店運用では、どのアカウントが拠点を管理し、どのアカウントが広告配信するかが混乱しやすいです。
ビジネスプロフィールの権限設計が曖昧だと、拠点確認の遅延や連携の断線が起きます。
拠点の所有権と広告アカウントの責任範囲を先に決め、管理者権限を整理してから設定に入ります。
設定手順を実務レベルで進める
来店計測の設定は、単発のクリック作業よりも「整備と紐付け」を丁寧に進める工程が中心です。
つまずく箇所は共通しており、住所アセットの無効化、拠点未確認、キャンペーンへの適用漏れが頻出です。
ここでは、現場で再現しやすい手順の流れに落とし込みます。
アカウントのリンク手順概要
基本は、Google広告とGoogleビジネスプロフィールをリンクし、住所アセットとして拠点を取り込む流れです。
チェーン店や代理店の場合は、アフィリエイト住所アセットなど運用形態に応じた選択肢もあります。
連携の具体手順は画面仕様が更新されるため、公式ヘルプと併せて確認しながら進めるのが安全です。
住所アセットの設定ポイント
住所アセットは、入れただけで全キャンペーンに出るとは限りません。
キャンペーンや広告グループ単位での適用状態、無効化設定、表示対象の選択が噛み合っている必要があります。
最初は対象キャンペーンを絞ってでも、確実に表示される形を作ると前進が早いです。
- 住所アセットをアカウントに追加
- 表示対象キャンペーンを明示
- キャンペーン側でアセット表示を許可
- 拠点が確認済みかを再確認
キャンペーン側の有効化
来店データは、住所アセットを実際に動かしているキャンペーンでのみレポート対象になります。
つまり、拠点連携ができていても、キャンペーン側でアセットが出ない設定だと来店計測は育ちません。
配信開始前に、最低限の有効化ポイントを表で突き合わせると漏れが減ります。
| 確認項目 | アセットがキャンペーンで有効 |
|---|---|
| 確認項目 | 住所表示のオプトイン状態 |
| 確認項目 | 拠点が確認済み |
| 確認項目 | 配信地域が店舗と整合 |
| 確認項目 | 店舗を示す広告要素が表示可能 |
コンバージョン目標の選び方
来店を重視する場合、コンバージョン目標の設計が重要です。
オンライン購入やフォーム送信と来店が混在すると、入札が別方向へ引っ張られることがあります。
来店を主要目標にするのか、補助として扱うのかを先に決め、キャンペーンごとに目標を揃えます。
来店価値の設定と自動入札
来店コンバージョンには価値を設定でき、ROAS型の判断や自動入札に活用できます。
平均客単価ではなく、粗利やLTVに近い値に寄せるほど、最適化の方向性がビジネス成果に近づきます。
短期で値を頻繁に揺らすより、一定期間の運用データを見て段階的に調整するほうが安定します。
来店計測を活かした改善と検証
来店計測は、数字が出た瞬間から本番で、施策の比較と配信の改善に使って価値が出ます。
推定値であることを踏まえつつ、同条件での差分を見ると意思決定が速くなります。
ここでは、改善の切り口と検証設計、そして数値が出ないときの対処を整理します。
施策の優先順位
最初に狙うべきは、来店に近い行動を増やしつつ、無駄な接触を減らすことです。
具体的には、検索意図の強い語句、地図や店舗情報に近い導線、地域整合の高い配信面を優先します。
来店を増やす施策と、来店あたりのコストを下げる施策を分けて回すと改善が読みやすくなります。
レポートで見る切り口
来店計測が使えるようになると、オンラインCVだけでは見えない「勝ちパターン」が見つかります。
特に、デバイスと地域、検索語句、クリエイティブの違いで来店効率が変わりやすいです。
見る切り口を固定し、週次で同じ粒度で比較すると判断がぶれません。
| 切り口 | デバイス |
|---|---|
| 切り口 | 地域 |
| 切り口 | 検索語句 |
| 切り口 | 広告素材 |
| 切り口 | 時間帯 |
A/B検証の設計
来店は季節性や天候、立地イベントの影響を受けやすく、検証条件がぶれやすい指標です。
そのため、一度に変える要素は一つに絞り、比較期間と地域条件を揃える設計が必要です。
検証の型を決めておくと、推定値でも十分に改善判断ができます。
- 変更は1要素だけ
- 比較期間を固定
- 地域条件を揃える
- 来店以外の補助指標も併用
計測されないときのトラブルシュート
数値が出ない場合、最初に疑うべきは「住所アセットが実配信で動いていない」ことです。
次に、拠点の確認率や拠点データの整合、そしてデータのしきい値の未達を順に切り分けます。
設定が正しくても、データ量が足りなければ表示されないため、改善施策は配信量と来店量を増やす方向に寄せます。
- 住所アセットの無効化を確認
- キャンペーンへの適用漏れを確認
- 拠点の未確認を解消
- 配信対象の過度な絞り込みを緩和
- 来店が多い拠点を優先
来店計測を成果につなげる要点
Google広告の来店計測は、住所アセットと拠点確認を土台に、十分なデータが蓄積されると自動的に表示される指標です。
推定値として扱う前提を持ち、施策比較と最適化の材料として使うと、オンラインCVだけでは見えない勝ち筋が見つかります。
まずは拠点データの整備と住所アセットの実配信を確実にし、次に配信面と地域条件を整えて、しきい値を超える状態を作るのが最短ルートです。
数値が出たら、切り口を固定して比較し、来店価値と目標設計を整えることで、改善が利益に直結しやすくなります。

