Google広告の成果が伸びない原因は、入札や広告文より前に「計測」が崩れているケースが少なくありません。
その中心にあるのがコンバージョンアクションで、何を成果として数えるかを定義し、入札最適化の材料を整える起点になります。
この記事では、作成手順だけでなく、種類の選び方やタグ設置の考え方、学習を阻害しやすい設定まで一気に整理します。
Google広告でコンバージョンアクションを作る9手順
最初に全体像を押さえると、設定ミスの確率が一気に下がります。
ここでは、管理画面で迷いやすい分岐点も含めて、作成から計測確認までの流れを9つに分けてまとめます。
計測したい成果を先に言語化する
コンバージョンアクションは「成果の定義」なので、最初に成果の条件を文章で決めるのが近道です。
購入なら完了画面到達なのか、決済成功なのか、返品やキャンセルをどう扱うのかまで決めると後から揺れません。
問い合わせなら送信完了だけでなく、電話発信や資料DLなども含めるかを先に切り分けます。
同じ行動でも、広告最適化に使う成果と、分析のために見たい行動は分けて考えると設計が安定します。
この時点で「成果の粒度」を揃えておくと、後で重複計測や二重カウントに悩みにくくなります。
目標メニューの導線を把握する
Google広告では、コンバージョン関連の設定は「目標」周辺に集約されています。
まずはコンバージョンの一覧に到達できる導線を覚え、どこで追加し、どこで編集するかを固定します。
同じ画面でも「概要」「設定」「目標の管理」で表示が変わるため、作業者ごとに操作がブレるのを避けます。
作業手順を社内共有する場合は、画面名ではなく操作目的で手順をまとめると更新に強くなります。
導線の公式手順は、Google広告ヘルプの案内も参照できます。
新しいコンバージョンアクションを追加する
コンバージョンの概要画面から、新しいコンバージョンアクションの追加に進みます。
ここで作るアクションが、後の「コンバージョン」列の集計や自動入札の学習材料になります。
既存のアクションが多いアカウントほど、命名規則を決めてから作ると管理しやすくなります。
名前は媒体や施策を入れすぎず、成果の意味が一目で分かる短い表現に寄せるのが無難です。
後から似た名前が増えると、誤って別アクションを最適化対象にする事故が起きやすくなります。
コンバージョンソースを選択する
コンバージョンアクションは、どこで発生した成果を取り込むかで大きく分かれます。
多くの運用ではウェブサイトが起点ですが、アプリ、電話、インポートなどの分岐もあるため目的に合わせて選びます。
同じ成果でも「計測の入口」が違うと、取得できる情報や精度が変わる点に注意が必要です。
複数ソースを併用する場合は、どれが主の成果なのかを明確にして重複を避けます。
あとでGA4取り込みを追加する予定があるなら、最初から役割分担を決めておくと混乱しません。
対象URLをスキャンして候補を整理する
ウェブサイトの計測では、サイトURLを入力してスキャンし、候補のイベントや設定方法の提案を受けられます。
スキャン結果は便利ですが、そのまま採用すると成果定義が曖昧になりがちなので、必ず成果条件と突き合わせます。
特にフォーム送信は、表示遷移がないサイトだと誤検知しやすく、手動定義のほうが安定する場合があります。
計測対象のページが多い場合は、まず主要導線だけを確実に取り、後から拡張する順番が失敗しにくいです。
ウェブコンバージョン設定の公式手順は、Google広告ヘルプでも確認できます。
カテゴリと価値の設計を固める
カテゴリはレポートの整理に効くため、購入、リード、登録など実態に近いものを選びます。
価値の設定は、金額が明確な成果は実額に寄せ、明確でない成果は相対評価のスコアでも構いません。
ただし価値が適当だと、目標ROASの学習が歪むので、入札戦略を見据えて設計します。
将来のLTVや粗利を反映したい場合は、最初から「何の価値か」を定義し、更新ルールまで決めると運用が続きます。
価値が未確定の段階では、まずはコンバージョン数の学習を優先し、次に価値最適化へ移行する考え方も有効です。
カウント方式を誤らない
同じ成果でも、1回だけ数えるのか、繰り返し数えるのかで数字の意味が変わります。
購入のように取引が積み上がる成果は複数回カウントが合いやすく、問い合わせのような獲得は1回が合いやすい傾向です。
ここを誤ると、コンバージョン数が増えて見えても実態の成果が増えていない状態になりやすくなります。
複数回カウントを使う場合は、重複を許容する条件と、除外したい条件を先に決めると設計がぶれません。
レポートでの解釈が変わるため、関係者に説明できる形で決定しておくことが重要です。
タグ設置方法を選んで実装する
設置方法は、Googleタグ、Googleタグマネージャー、手動設置などの分岐になります。
サイト改修が難しい場合はタグマネージャーが便利で、運用側で更新できる範囲が広がります。
一方で、タグが増えるほど管理が複雑になるため、命名規則や公開フローもセットで整えます。
GoogleタグマネージャーでのGoogle広告コンバージョン設定は、公式手順も用意されています。
参考として、タグ マネージャー ヘルプの案内に沿うと迷いにくくなります。
計測できているかを検証してから運用に入れる
作っただけでは安心できないので、実際にテスト導線を踏み、成果が記録されるところまで確認します。
確認は、広告管理画面のステータスだけでなく、サイト側のイベント発火や重複発火も見るのが安全です。
最初の数日は計測が遅延したり、学習が安定しなかったりするため、変更を重ねすぎない運用が向きます。
成果が出ないときは、タグ未設置よりも「発火条件のズレ」や「同一成果を複数で数えている」問題が多いです。
検証の段階で原因切り分けの手順を作っておくと、今後の保守が楽になります。
コンバージョンアクションの種類を選ぶ基準
同じ成果でも、どの種類で作るかによって取得できる情報や最適化の効き方が変わります。
ここでは代表的な種類の考え方と、運用で迷いやすいポイントを基準としてまとめます。
成果タイプの見極め
成果が「サイト内で完結する行動」なのか、「外部で完結する行動」なのかで選択が変わります。
サイト内ならウェブ起点が基本ですが、電話や来店のようにオンライン外へ出る成果は取り込み方式を設計する必要があります。
複数の成果を同列に扱うと学習が不安定になりやすいので、主の成果を先に決めるのが効果的です。
目的が短期の獲得なのか、長期の育成なのかでも、採用する成果が変わる点を意識します。
- 購入完了
- 問い合わせ送信
- 電話発信
- 会員登録
- 資料ダウンロード
上の候補を並べたら、入札最適化に使う成果と、参考指標として見る行動を分けるのがコツです。
主な種類の早見表
種類は多く見えますが、成果が発生する場所と取り込み方で整理すると判断しやすくなります。
複数を併用する場合は、重複計測にならないよう役割を決めて設計します。
| 種類 | ウェブサイト/アプリ/電話/インポート |
|---|---|
| 向いている成果 | オンライン完結/アプリ内行動/発信行動/CRM成約 |
| 注意点 | 重複計測/遅延/計測漏れ/照合精度 |
| 運用の相性 | 自動入札/分析目的/部門連携 |
早見表で当てはめた後に、実装難易度と保守コストまで含めて決定すると長続きします。
マイクロコンバージョンの扱い
フォーム到達やスクロールなどの小さな行動は、学習の材料としては役立つ一方で成果の意味が薄くなりやすいです。
特に広告の最適化対象に入れると、購入より先に小さな行動を集めてしまい、獲得が伸びないことがあります。
まずは主要成果の計測を安定させ、次に補助指標として追加する順番が安全です。
どうしても主要成果が少ない場合は、段階的に近い行動を採用して学習を進める方法もあります。
ただし、最終的に何をゴールとするかが曖昧になると改善が止まるため、目的は固定しておきます。
コンバージョン値の考え方
購入のように金額がある成果は、売上に寄せた値を使うと最適化が理解しやすくなります。
一方でリード獲得は、受注率や平均粗利が分かるなら期待値を価値として置くと判断がブレにくくなります。
価値を入れる場合は、計測の精度と同じくらい「更新ルール」が重要で、属人化すると運用が崩れます。
価値が変動する業態では、まずはコンバージョン数で安定させ、次に価値最適化へ移行する段取りが向きます。
価値を入れない運用でも問題はありませんが、ROASや利益を軸にした判断が必要なら早めに設計しておくと後で楽です。
タグ設置とデータ連携をミスなく進める
コンバージョンアクションが正しくても、タグ実装と連携が崩れると数字が信用できなくなります。
ここでは設置方法の選び方と、運用で事故が起きやすいポイントを実務目線で整理します。
設置方法の比較表
設置は「どこで誰が管理するか」が本質で、技術の好みだけで決めると保守で詰まります。
社内の権限と公開フローに合わせて、最もミスが少ない方法を選びます。
| 方式 | Googleタグ/GTM/手動埋め込み |
|---|---|
| 向き | 最短導入/複数タグ管理/細かな制御 |
| 変更のしやすさ | 中/高/低 |
| 注意点 | 重複設置/公開漏れ/環境差分 |
方式を決めたら、同じ成果に複数方式が混在しないように整理してから実装します。
Googleタグの基本
Googleタグは導入が比較的早く、最初の計測を安定させる用途で相性が良いです。
ただしサイト全体に関わるため、他の計測や同意管理と競合しない設計が重要になります。
特に複数ドメインやサブドメインが絡むと、計測の継承やセッション扱いが複雑になりやすいです。
導入時は、どのページに何が設置されているかを一覧化し、運用側が把握できる状態にします。
導線が複数あるサイトほど、計測対象のURL条件を明文化しておくとブレません。
GTM運用のルール設計
GTMは運用側で変更できる反面、ルールがないとタグが増殖して原因追跡が難しくなります。
タグ名は成果名と発火条件が推測できる形式に揃え、ワークスペースの運用も固定します。
公開は都度ではなく、検証とセットで行うことで、誤って本番に不要なタグが出るのを防げます。
最低限のルールだけでも先に決めると、チームが増えても壊れにくくなります。
- 命名規則の統一
- 発火条件のテンプレ化
- 公開前の検証手順
- 変更履歴の記録
- 不要タグの棚卸し
GTMのGoogle広告コンバージョン設定は、公式の手順に沿うと作業漏れが減ります。
GA4インポートの注意点
GA4のイベントやキーイベントを取り込む方法は手軽ですが、広告最適化の粒度としては注意が必要です。
分析のために作ったイベントが、そのまま最適化対象として最適とは限らないからです。
また、同じ成果をGoogle広告タグでも計測していると、二重計測に見える状態になりやすいです。
取り込みを使うなら、広告最適化に使うイベントを限定し、他は分析用として扱う線引きをします。
アカウント運用が進んだ後ほど影響が大きいので、導入時点でルールを作っておくと安全です。
計測の精度を上げる設定
コンバージョンアクションは作った後の「設定の整え方」で精度が変わります。
数字の信用度が上がると改善が速くなり、自動入札の学習も安定しやすくなります。
計測ズレが起きやすい原因
計測ズレは、広告の問題というよりサイトの挙動や設定の噛み合わせで起きることが多いです。
原因を類型化しておくと、数字が急に落ちたときに切り分けが速くなります。
まずは「発火していない」のか「発火しているが集計されない」のかを分けて考えます。
- 発火条件の誤り
- 完了ページの欠如
- SPAの画面遷移問題
- タグの重複設置
- 同意設定による抑制
原因が特定できないときほど、変更を増やさず、検証手順を固定して淡々と潰すのが近道です。
設定項目の推奨早見表
全てを完璧にする必要はありませんが、最低限の設定が揃うと運用の再現性が上がります。
迷いやすい項目を、判断の目安として表にまとめます。
| 命名 | 成果内容が一目で分かる |
|---|---|
| 価値 | 売上実額/期待値スコア |
| カウント | 獲得は1回/取引は複数 |
| 最適化対象 | 主要成果を優先 |
表の基準はあくまで目安なので、事業のKPIに合わせて調整して運用に馴染ませます。
拡張コンバージョンの活用
ブラウザ環境の変化で計測が欠けやすい場合は、拡張コンバージョンの導入が候補になります。
ユーザー提供データを活用して照合精度を高める考え方なので、データ取り扱いと同意の設計が重要です。
導入するなら、まずウェブ向けの拡張コンバージョンをどのアクションに有効化するかを決めます。
実装方法はGoogleタグやGTMなどに分かれるため、既存の設置方式と揃えると混乱しにくいです。
公式の設定手順として、Googleタグでの拡張コンバージョン設定も確認できます。
重複計測を防ぐ設計
最も多い事故は、同じ成果を複数のコンバージョンアクションで数えてしまう状態です。
例えばGA4インポートと広告タグの両方で購入を取ると、レポート上は成果が倍に見えることがあります。
重複を避けるには、成果ごとに「唯一の計測源」を決め、他は補助指標として扱うのが基本です。
複数ドメインや決済外部遷移がある場合は、どこで成功と判定するかを統一しておく必要があります。
数字の整合性が取れると、CPAやROASの評価が急に安定し、改善の判断が速くなります。
スマート自動入札を動かす前に整える
自動入札はコンバージョンアクションを学習材料として使うため、設定が整っていないと最適化が迷走します。
ここでは主要と補助の考え方や、キャンペーン単位での目標設計など、学習を安定させる要点をまとめます。
主要と補助の使い分け
コンバージョンアクションは、入札最適化に使うかどうかで役割を分けられます。
主要に置く成果が増えすぎると、機械が何を達成すべきか分からなくなり、獲得が鈍ることがあります。
一方で補助に置いた成果は、分析には使えても最適化には使わないため、目的に応じて配置します。
運用初期は主要を絞って学習を安定させ、安定後に補助指標を増やすほうが失敗しにくいです。
公式の概念としても、主の成果と補助の成果を分ける考え方が案内されています。
学習を妨げる要因
自動入札が不安定なときは、広告設定より先に「成果データの質」を疑うと改善が速いです。
特に成果の定義が揺れていると、学習がリセットに近い状態になり、改善に時間がかかります。
入札戦略を頻繁に変える前に、まずはデータが安定して溜まる環境を作ることが重要です。
- 主要成果が多すぎる
- 計測の遅延が大きい
- 価値の定義が不安定
- 重複計測が混在
- 変更頻度が高すぎる
上の要因を潰すだけでも、同じ予算でも獲得が安定しやすくなります。
キャンペーン別目標の設計
同一アカウントでも、キャンペーンごとに追う成果が違うことはよくあります。
その場合は、アカウント既定の目標に加えて、キャンペーン単位で追う目標を整理すると運用が分かりやすくなります。
例えば新規獲得と既存促進を同じ成果で最適化すると、成果は増えても意図したユーザーが増えないことがあります。
目的が違うならキャンペーンも分け、使う成果も分ける設計が整合します。
キャンペーン別の目標設定の考え方は、Google広告ヘルプの案内も参考になります。
目標設計の早見表
目標が整理されると、レポートの見方が揃い、改善の議論が短くなります。
現場で使いやすい形に、設計の視点を表でまとめます。
| 目的 | 獲得/育成/再訪 |
|---|---|
| 主要成果 | 購入/送信完了/成約インポート |
| 補助指標 | 到達/閲覧/クリック |
| 価値設計 | 売上/期待値/未設定 |
表に沿って設計を揃えると、改善の打ち手が「広告」ではなく「事業のKPI」に接続しやすくなります。
運用に生かすための要点を整理する
コンバージョンアクションは、成果の定義と計測を揃えることで、広告運用の判断基準を一本化できます。
作成手順は9つの流れで押さえ、カテゴリや価値、カウント方式で数字の意味を固定することが重要です。
タグ実装は方式の選択と運用ルールがセットで、重複計測を防ぐ設計が数字の信用度を左右します。
精度を上げる設定や拡張コンバージョンも検討しつつ、主要成果を絞って学習を安定させると改善が速くなります。
最後に、キャンペーンごとの目的と目標を整えておくと、自動入札もレポートも迷わず回せる状態になります。

