Google広告の「アカウント追加」は、人によって意味している作業が違うため、最初にどの追加をしたいのかを切り分けるだけで迷いが激減します。
新しい広告アカウントを作るのか、既存アカウントをマネージャー(MCC)に紐づけるのか、運用メンバーを招待して権限を渡すのかで、入口がまったく別になります。
本記事では、よくある追加パターンを8つに分けて、画面で迷いやすいポイントと、追加後にやるべき整備までを流れで整理します。
「結局どれをやればいいのか」を先に確定し、必要な権限・請求・リンクを一気に揃えるための道筋として使ってください。
Google広告にアカウントを追加する8つの手順
「追加」という言葉の中身は、広告アカウントの新規作成、既存アカウントの連携、ユーザー招待、請求の紐づけなどに分かれます。
ここでは代表的な8パターンを並べ、あなたの状況に近いものから着手できるように整理します。
最初に該当パターンを決め、次に操作の分岐点だけ押さえるのが最短ルートです。
まずは「追加したい対象」を言語化する
Google広告で追加したいのが「広告アカウント」なのか「操作する人(ユーザー)」なのか「請求の単位」なのかで、進むメニューが変わります。
広告アカウントを増やしたい場合は作成やリンクが主役で、ユーザーを増やしたい場合はアクセス権の招待が主役になります。
請求まわりをまとめたい場合は、支払いプロファイルや支払いアカウントの設計を先に固めると後戻りが減ります。
新しいGoogle広告アカウントを作成する
新規で広告アカウントを追加する場合は、まず作成に使うGoogleアカウント(ログインするメール)を決め、運用主体を混ぜないようにします。
作成直後にキャンペーン作成へ誘導されることが多いので、急いで出稿しないなら、設定途中で必要情報を確認しながら進めるのが安全です。
特に請求設定でつまずきやすいため、法人・個人、支払い方法、請求書払いの要否などを事前に決めてから入力するとやり直しを避けやすくなります。
ログイン後にアカウントを切り替える
同じGoogleログインに複数の広告アカウントが紐づくと、画面上のアカウント切替で行き来できるようになります。
ただし「切替できる=権限がある」状態が前提なので、切替候補に出てこない場合は、そもそも招待が完了していない可能性があります。
運用ミスを防ぐため、アカウント名の命名規則を「事業名+媒体+目的」などで揃え、切替時の見間違いを減らすのが実務的です。
別のGoogleログインで作られた広告アカウントに参加する
他の担当者が作った広告アカウントをあなたが触れるようにするなら、アカウントに対してユーザー招待を受けて参加するのが基本です。
このとき必要なのは「あなたのメールアドレス」と「付与されるアクセス権」で、共有リンクを探し回るより招待メールの承認が最短です。
運用代行や社内引き継ぎでは、最初は権限を控えめにして確認し、問題がなければ管理者権限へ上げると安全に移行できます。
マネージャー(MCC)に既存アカウントをリンクする
複数アカウントを束ねて管理したい場合は、マネージャーアカウントから「既存のアカウントをリンク」を使うのが定番です。
リンクは一方的に完了せず、リンク先(子アカウント側)で承認が必要なため、送信しただけで終わった気にならないよう注意します。
代理店と広告主が関わる場合は、誰がMCCを持つのか、解除時の手順と権限をどう残すのかまで、最初に合意しておくと揉めにくいです。
マネージャー(MCC)から新しい広告アカウントを作る
新規アカウントを最初からMCC配下で作ると、後からリンクする作業を省けるため、運用体制が固まっている組織に向きます。
一方で、請求単位や権限設計を曖昧にしたまま増やすと、後で「誰が支払うのか」「誰が管理者なのか」が分からなくなりがちです。
新規作成前に、配下に作る目的が「事業別」「国別」「ブランド別」などどれなのかを決め、増やしすぎない構造にするのがコツです。
ユーザーを追加して共同運用にする
担当者を増やしたい場合は、アカウントのアクセス権画面からメールアドレスを招待し、権限レベルを選びます。
権限を強くしすぎると事故が起きやすいので、請求管理やユーザー管理が必要な人だけに管理者権限を付与する設計が現実的です。
招待の受諾が完了したら、最初に「どの画面が触れるか」を一緒に確認し、運用の境界線を明確にすると手戻りが減ります。
追加直後に整える初期設定を押さえる
アカウント追加が完了したら、まずタイムゾーン・通貨・通知設定を確認し、記録や請求のズレを防ぎます。
次に、コンバージョン、リンク設定、権限、請求の順で「運用が回る最低ライン」を作ってから、キャンペーン設計へ進むのが安定します。
特に複数アカウント運用では、命名規則、ラベル運用、レポートの粒度まで揃えると、増やしても管理コストが跳ね上がりにくくなります。
権限とセキュリティを整えると追加作業が速くなる
アカウント追加の失敗は、実は「権限が足りない」「招待が未承認」「支払い権限が別管理」の3つに集約されがちです。
ここでは、権限の設計と、セキュリティまわりの典型的な詰まりポイントを先回りで潰します。
チーム運用ほど、最初の権限設計が後のスピードと安全性を左右します。
アクセス権の種類と任せ方の目安
Google広告のアクセス権は、できる操作の範囲を決めるための仕組みで、役割に合わせて使い分けると事故が減ります。
最初は「必要な作業ができる最小権限」で始め、運用が安定したら段階的に広げるほうが移行が滑らかです。
| 権限 | 管理者 / 標準 / 閲覧のみ |
|---|---|
| 向いている人 | 責任者 / 運用担当 / レポート閲覧 |
| できることの傾向 | 全設定 / 日々運用 / 参照中心 |
| 注意点 | 請求・ユーザー管理の誤操作 |
ユーザー招待の基本フローを短く覚える
ユーザー追加は、管理者メニューからアクセス権の画面へ進み、プラスボタンでメールアドレスと権限を指定して招待します。
招待された側が承認しない限り権限は有効にならないため、送信後は受信箱と迷惑メールの双方を確認してもらうのが確実です。
社内で複数人が招待を出す運用だと重複や混乱が起きやすいので、招待担当を決めて一本化すると管理が楽になります。
セキュリティ設定で「招待できない」を防ぐ
ドメイン制限やセキュリティ設定によって、特定ドメインのメールが招待できないケースがあります。
その場合は、許可するドメインの設定を見直し、権限付与がブロックされていないかを確認します。
- 許可されたドメイン設定
- 二段階認証の運用ルール
- 共有アカウントの禁止
- 退職者アカウントの棚卸し
引き継ぎ時に必要な「見える化」だけ揃える
担当交代では、誰がどの権限を持っているかが不透明だと、追加作業より先に権限整理で時間が溶けます。
引き継ぎ前に、管理者権限が1人に偏っていないか、請求の管理者が誰か、緊急時の連絡経路があるかだけを確認すると十分です。
運用の責任者が変わるなら、最初の1週間だけは権限を二重化して並走し、安定してから整理する流れが現場で崩れにくいです。
MCCで複数アカウントを束ねると運用の景色が変わる
アカウントが増えてくると、ログイン・請求・権限・レポートが分散し、作業が二重三重になりがちです。
マネージャーアカウント(MCC)は、それらを束ねて扱える仕組みなので、運用規模が一定を超えたら検討価値があります。
ただし、構造設計を誤ると逆に複雑になるため、使いどころを明確にして導入します。
MCCが向くケースを先に確認する
MCCは「複数の広告アカウントを横断管理したい」状況で効果が出やすく、代理店や複数事業を持つ企業で特に相性が良いです。
逆に、アカウントが1つだけで運用も単純なら、無理にMCCを挟むより、権限と請求を整えるほうが早く成果に直結します。
- クライアントが複数
- ブランドや事業が複数
- 国別にアカウント分割
- レポートを統一したい
既存アカウントをリンクする操作の分岐点
MCCから既存アカウントをリンクする場合は、MCC側でリンクリクエストを送った後、子アカウント側で承認する流れになります。
リクエストを送るだけでは連携が完成しないため、承認担当が誰かを先に決めておくと止まりません。
| 操作場所 | MCC / 子アカウント |
|---|---|
| 必要情報 | 顧客ID |
| 完了条件 | 子アカウントで承認 |
| よくある停止点 | 招待の未確認 |
承認・拒否・解除の扱いを誤らない
リンクリクエストは、承認待ちの状態が続くと「どこで止まっているか」が見えにくくなり、運用開始が遅れます。
保留中のリクエストは一覧で確認でき、まとめて承認や拒否が可能なので、月次の棚卸しで滞留を解消すると運用が軽くなります。
解除の権限や手順も事前に共有し、関係者が増えても「抜けられない構造」にならないようにします。
子アカウントの構造は「増える前提」で設計する
最初は1〜2アカウントでも、成功すると増えるのが広告運用なので、命名規則と分割軸を先に固定すると拡張が楽になります。
分割軸は「事業」「国」「ブランド」「請求主体」などから1つに絞り、軸を混ぜないのが分かりやすさの鍵です。
| 分割軸 | 事業 / ブランド / 国 |
|---|---|
| 命名ルール | 事業名+媒体+目的 |
| 運用単位 | 担当者とレポート粒度 |
| 避けたい状態 | 軸の混在 |
請求と支払いの設計が「追加のやり直し」を減らす
アカウント追加ができても、請求が整っていないと出稿が止まったり、誰が支払うのかで揉めたりします。
特に複数アカウント運用では、支払いプロファイルと支払いアカウントの関係を先に理解すると、後戻りのコストが減ります。
ここでは、請求の基本構造と、複数アカウント時の現実的なまとめ方を整理します。
支払いプロファイルと広告アカウントの関係を押さえる
支払いプロファイルは請求情報を束ねる単位で、複数のお支払いアカウントを関連付けられる前提で設計されています。
広告アカウントを増やすほど、請求の紐づけが運用リスクになるため、プロファイルの持ち方を早めに決めるのが得策です。
| 要素 | 支払いプロファイル |
|---|---|
| 役割 | 請求情報の管理 |
| 関連 | 複数の支払い設定 |
| 注意点 | 運用主体の混在 |
複数アカウントの請求を「まとめるか分けるか」決める
請求をまとめると経理が楽になりやすく、分けると事業別の採算管理がしやすくなるため、目的で選びます。
決め手は「支払い主体が同じか」「原価配賦をどうするか」「支払い方法を統一できるか」の3点です。
- 支払い主体の一致
- 事業別の採算管理
- カード上限と与信
- 請求書払いの要否
支払いプロファイルにユーザーを追加して経理と分業する
運用担当に広告アカウントの権限を渡しても、請求担当が支払い情報を見られないと、支払い停止などのトラブル対応が遅れます。
支払いプロファイル側にもユーザー追加の仕組みがあり、支払いサービスのユーザー管理から権限を付与できます。
| 追加先 | 支払いプロファイル |
|---|---|
| 操作場所 | お支払いセンターの設定 |
| 想定担当 | 経理 / 管理部 |
| 目的 | 請求情報の分業 |
カード変更や請求先変更は「止まらない動線」で行う
支払い方法の更新は、タイミングを誤ると広告配信が停止する可能性があるため、切替前後の通知と残高の状態確認が重要です。
複数アカウントを同一支払いで運用している場合は、変更の影響範囲が広いので、変更担当と確認担当を分けると安心です。
「急に配信が止まった」を避けるため、変更後は少額で動作確認し、請求メールが正常に届くかまで確認します。
追加できない・切り替えられない時の原因はだいたい絞れる
操作がうまくいかないときは、画面のどこで止まったのかを分解すると、原因がすぐに候補に上がります。
「ボタンがない」「招待が届かない」「承認できない」「支払いが通らない」は、見るべき場所が決まっています。
ここでは、よくある詰まり方ごとに、確認すべきポイントを短くまとめます。
そもそも追加ボタンやメニューが見当たらない
メニューが表示されない場合、権限が不足しているか、見ているアカウントが違うか、管理画面の表示が簡易化されている可能性があります。
まずは画面右上のアカウント表示を確認し、目的のアカウントに入れているかを最初に確定させます。
- ログイン中のアカウント確認
- 権限レベルの確認
- 管理者メニューの有無
- 別ブラウザで再ログイン
招待メールが届かない・承認が進まない
招待が届かないときは、メールアドレスの誤入力、迷惑メール振り分け、受諾前の状態放置が多い原因です。
招待の送信側では、保留中の招待が残っていないかを確認し、必要なら再送や撤回を行います。
| 症状 | メール未着 |
|---|---|
| 確認先 | 迷惑メール / 受信設定 |
| 送信側の確認 | 招待の保留一覧 |
| 対処の方向 | 再招待 / 撤回して再送 |
権限不足やドメイン制限で弾かれる
「そのメールは許可されていない」類のエラーは、許可ドメインの設定や組織のポリシーが原因になりやすいです。
この場合は、権限付与の画面だけを触っても解決しないため、制限している側の設定を先に解除・追加します。
社外委託が多い運用では、ドメイン制限の方針を決め、例外申請の手順まで作っておくと現場が止まりません。
支払いが通らず配信前に止まる
アカウント追加が完了していても、支払いが未設定または無効だと配信が始められない場合があります。
請求設定が複数単位に分かれていると、広告アカウント側と支払いプロファイル側の権限が一致せず、更新作業が進まないことがあります。
運用担当と経理担当の役割を分けるほど、支払い側のユーザー追加と権限設計を先に整えるのが近道です。
今日やることが見える要点整理
最初に「広告アカウントを増やす」「MCCに紐づける」「ユーザーを招待する」「請求を整える」のどれが目的かを確定させます。
次に、権限の不足がないかを確認し、必要ならアクセス権の招待と承認を完了させます。
複数アカウント運用なら、MCCの導入と構造設計を先に決め、リンクの承認までを一気に終わらせます。
請求が絡む場合は、支払いプロファイルと担当者権限を揃え、支払い停止リスクを先に潰します。
最後に、命名規則と初期設定を揃えてからキャンペーンへ進むと、アカウントが増えても運用が崩れにくくなります。

