Google広告を運用していると、社内の確認作業や関係者の閲覧で意図しないクリックが発生し、費用だけが増えることがあります。
そんなときに有効なのが「IPアドレスの除外」で、特定のネットワークからの広告表示をブロックできます。
ただし万能ではないため、効く場面の見極めと、設定の粒度選びが成果に直結します。
Google広告でIPアドレスを除外する7つの手順
IP除外は「どのIPを」「どの範囲で」「どの階層で」止めるかを決めてから設定すると失敗しにくいです。
アカウント単位とキャンペーン単位を使い分け、反映後の確認まで一気に終えるのが近道です。
除外したいIPの候補を先に洗い出す
最初に、誰のどんな閲覧を止めたいのかを言語化して、除外対象の候補を作ります。
社内PCだけを止めたいのか、店舗のWi-Fiも止めたいのかで必要なIPの数が変わります。
関係者が多いほど「後から増える前提」で管理しないと、設定が散らかりやすくなります。
目的が「社内クリックの抑制」なら、まずは拠点の固定回線から着手するのが現実的です。
現在のグローバルIPを正しく取得する
IP除外に必要なのは、端末のローカルIPではなく、外部から見えるグローバルIPです。
社内ネットワークの場合は、情報システム担当や回線契約情報から確認できることがあります。
在宅や店舗のWi-Fiは回線やルーターの変更でIPが変わるため、取得日も一緒に記録します。
IPはIPv4とIPv6の表記があり、環境によっては両方を扱う前提で考えると安全です。
アカウント単位で除外するかを判断する
全キャンペーンで同じIPを一括で止めたいなら、アカウント単位の設定が管理しやすいです。
この方法なら、キャンペーンが増えても除外設定の付け忘れを減らせます。
一方で、特定のキャンペーンだけ止めたい場合は、アカウント単位に入れると影響が広がります。
まずは「全体で止めるIP」と「例外的に止めるIP」を分けて考えると判断が早いです。
アカウント単位のIP除外を管理画面で設定する
Google広告の管理画面で、管理者メニューからアカウント設定へ進みます。
アカウント設定内の「IPアドレスの除外」セクションに、除外したいIPを入力して保存します。
アカウント単位の除外は一元管理できる反面、キャンペーン画面から編集できない点に注意します。
公式の案内はGoogle広告ヘルプの「IPアドレスを除外する」を参照すると迷いにくいです。
キャンペーン単位のIP除外で範囲を絞る
特定のキャンペーンだけを止めたいなら、キャンペーン設定の中でIP除外を設定します。
「キャンペーン」から対象を選び、「設定」→「その他の設定」→「IPアドレスの除外」を開きます。
ここにIPを入力して保存すると、そのキャンペーン配下の広告表示が指定IPに対してブロックされます。
キャンペーン単位には上限があるため、大量の除外が必要なら設計から見直すのが得策です。
入力形式と上限を守って登録する
IP除外は1行ごとに入力し、余計な文字が混ざらないように整形してから貼り付けます。
キャンペーン単位では、最大500件まで除外でき、末尾3桁を「*」にして範囲指定もできます。
範囲指定は便利ですが、止めすぎると配信ボリュームが落ちるため慎重に使います。
IPv6の表記ゆれや同一ネットワークの別表記もあり得るので、同じ対象を確実に止める設計が必要です。
反映後は広告プレビューで動作を確かめる
実際にGoogle検索を繰り返して確認すると、無用な表示やクリックを誘発しやすくなります。
確認は「広告プレビューと診断ツール」を使い、条件を揃えて表示可否を確かめるのが安全です。
広告が出ない場合は、IP以外の要因も同時に疑い、診断メッセージを手掛かりに切り分けます。
ツールの導線や考え方は公式ヘルプも合わせて見ると運用が安定します。
広告プレビューと診断ツールについて(Google 広告 ヘルプ)
IP除外が向く状況を見極める
IP除外は「特定ネットワークからの広告表示を止める」施策で、狙いが合うと少ない手間で無駄を削れます。
一方で、相手がモバイル回線やVPNを使うケースには弱く、万能な不正対策ではありません。
社内の閲覧によるムダ配信を抑えたい
社内の確認作業が多い業種では、まず社内回線のIP除外が費用対効果を出しやすいです。
検索広告は意図せず表示されやすく、社内の自己クリックが積み上がりやすいからです。
特に営業や制作が頻繁に検索する体制なら、早めに止血しておくと日々の損失が減ります。
- 本社や支店の固定回線
- 店舗の業務用Wi-Fi
- 制作会社のテスト閲覧回線
- コールセンターの端末ネットワーク
競合クリック対策として過信しない
競合が意図的にクリックしている疑いがあっても、IP除外だけで完結するとは限りません。
回線を変えられる相手や、モバイル回線中心の相手には、ブロックが継続しにくいからです。
まずは「兆候の把握」と「配信設計の改善」を優先し、IP除外は補助として使うのが現実的です。
| 用途 | 社内クリック抑制に強い |
|---|---|
| 得意な対象 | 固定回線のネットワーク |
| 苦手な対象 | モバイル回線やVPN |
| 副作用 | 止めすぎで配信量が減る |
| 併用しやすい施策 | 地域設定や時間帯調整 |
在宅勤務や外出先のアクセスは漏れやすい
在宅勤務は固定回線でもIPが変わることがあり、除外が効いたり効かなかったりしやすいです。
外出先のテザリングやカフェWi-Fiは、ネットワークが頻繁に変わり、IPベースの制御が難しくなります。
この場合は、担当者に広告を見ない運用ルールを共有し、必要最小限のIP除外で補うのが無難です。
除外できたとしても、対象者が別回線に切り替えると再び表示される前提で考えます。
地域で止めたいなら地域設定を優先する
特定地域に配信したくない場合は、IPでなく地域ターゲティングの除外が筋の良い選択です。
IPは同じでも利用場所が変わることがあり、狙いが地域だと精度が安定しません。
地域除外は配信設計と整合しやすく、説明責任や引き継ぎもしやすい施策です。
IP除外は「ネットワーク」対策であり、「地域」対策の代替ではない点を押さえます。
IP除外で起きやすい落とし穴を潰す
IP除外は設定自体は簡単ですが、表記・上限・管理の3点でつまずきやすいです。
最初に運用ルールを決めておくと、除外が増えても崩れにくくなります。
IPv4とIPv6の表記違いを見落とさない
ネットワーク環境によってはIPv4だけでなくIPv6が使われ、片方だけ除外しても漏れることがあります。
また、同じ回線でも見え方が変わる場合があり、想定外の端末から広告が見えることがあります。
対象ネットワークの実態を押さえ、必要なら複数表記を管理する前提で設計します。
- IPv4形式のIP
- IPv6形式のIP
- 拠点ごとの回線種別
- ルーター交換の履歴
キャンペーン上限500件を前提に設計する
キャンペーン単位のIP除外は最大500件で、行き当たりばったりで増やすと上限に到達します。
上限が近づいたら「そもそも何を止めたいのか」に立ち返り、除外対象の棚卸しを行います。
不要になったIPを残したままだと、配信機会を自ら削ってしまうことにもつながります。
| つまずき | 件数が増えて上限に到達 |
|---|---|
| 原因 | 目的が曖昧な追加 |
| 対処 | 用途別に除外を整理 |
| 優先度 | 社内回線を先に登録 |
| 運用ルール | 追加日と理由を記録 |
範囲指定の使いすぎで配信を絞り過ぎる
末尾3桁を「*」に置き換える範囲指定は便利ですが、止まる範囲が広くなりがちです。
特に共有回線の多いエリアでは、見込み客も同じブロックに含まれる可能性があります。
まずは単体IPで効きを見てから、必要に応じて範囲指定へ広げる順番が安全です。
配信量が急に落ちた場合は、直近のIP除外変更を疑う運用にしておきます。
アカウント単位とキャンペーン単位の二重管理に注意する
アカウント単位とキャンペーン単位の両方でIP除外を設定すると、除外リストは統合されます。
その結果、意図せず特定キャンペーンだけでなく広い範囲に影響が及ぶことがあります。
どの階層に入れたIPなのかを把握できるように、管理表や命名ルールを作っておくと安心です。
「全体で止める」と「例外的に止める」を最初に分けるほど、事故が減ります。
不正クリックが疑わしいときの追加対策
不正クリック対策は、IP除外だけでなく、配信設計と計測の見直しをセットで進めると効果が出やすいです。
兆候を把握し、費用が漏れる場所を少しずつ減らす運用が現実的です。
まず兆候を整理して初動を統一する
疑いがあるときほど、感覚ではなくデータと事実で整理すると判断が速くなります。
特定の時間帯だけ急増していないか、CVが伴わないクリックが偏っていないかを見ます。
同時に、LP側のログやフォーム到達率も見て、広告側だけの問題かを切り分けます。
| 兆候 | クリック増加とCV不一致 |
|---|---|
| 確認先 | 時間帯別や地域別の指標 |
| 初動 | 除外と入札の見直し |
| 補助 | LPの計測とログ確認 |
| 継続策 | 配信設計の再構築 |
配信設計を整えて「押されやすい広告」を減らす
クリックの質が悪いときは、広告が広すぎる層に当たっていることが多いです。
地域、時間帯、デバイス、検索語句の設計を整えると、無駄な露出を減らせます。
IP除外は点の対策なので、面の設計を詰めてから点を埋める順番が効率的です。
- 地域の配信範囲を絞る
- 深夜帯の配信を抑える
- 不要な検索語句を除外する
- 広告文で対象者を明確化
LP側の防御で無効な行動を減らす
広告だけで完全に防ぐのが難しい場合、LP側で不審なアクセスを抑える選択肢もあります。
ただし、過剰な制限は見込み客の離脱を招くため、段階的に導入するのが安全です。
フォーム送信などの重要導線にだけ軽い防御を置くと、影響を小さくしながら改善できます。
広告の改善とLPの改善を同時に進めると、悪影響の切り分けもしやすくなります。
運用に組み込みやすい管理ルールを作る
IP除外は「設定して終わり」ではなく、回線変更や拠点追加で更新が必要になります。
引き継ぎ可能な形に整えておくと、担当が変わってもムダが戻りにくいです。
IP情報は最小限の項目で台帳化する
IPだけを書き残すと、後から何のための除外か分からなくなりがちです。
増えても破綻しないよう、項目は少なく、でも意思決定に必要な情報は揃えます。
台帳があれば、削除すべきIPの棚卸しも短時間でできます。
- 拠点名
- IPアドレス
- 登録日
- 登録理由
変更が起きたときの更新フローを決める
ルーター交換や回線変更が起きるとIPが変わり、除外が効かなくなることがあります。
そのたびに運用者が後追いすると、ムダクリックが復活しやすくなります。
変更が起きたら誰がどこに連絡し、誰が反映するかを決めておくと安定します。
| イベント | 回線変更やルーター交換 |
|---|---|
| 連絡元 | 情シスや店舗責任者 |
| 連絡先 | 広告運用の担当者 |
| 更新内容 | IP台帳と除外設定 |
| 確認 | 広告プレビューで動作確認 |
増えすぎた除外は定期的に整理する
IP除外が増えるほど、意図しない配信制限が起きるリスクも上がります。
一定期間使っていない拠点や、目的が消えた除外は削除候補になります。
整理は「削除しても困らないか」を確認しながら、段階的に行うのが安全です。
追加と削除の両方を運用に組み込むことで、除外リストが健康に保たれます。
要点を押さえてムダクリックを減らそう
Google広告のIP除外は、社内回線など固定ネットワークからの意図しない広告表示を減らすのに有効です。
アカウント単位とキャンペーン単位の使い分けを決め、IPv4とIPv6の表記や上限にも注意して運用します。
不正クリックの疑いがある場合は、IP除外だけに頼らず、配信設計の見直しと確認フローの整備をセットで進めると安定します。
台帳化と更新ルールまで作れば、担当が変わってもムダが戻りにくい運用にできます。

